山梨県は2024年8月30日、東レ、東京電力エナジーパートナー、大成建設と共同開発した500kWワンパック固体高分子型P2Gシステムについて、大成ユーレック川越工場で8月6日に第1号機の実証運転を開始したと発表しました。NEDOの助成事業として産業熱の脱炭素化を検証します。
太陽光電力から水素を製造
工場内の太陽光発電設備の電力で水を電気分解し、グリーン水素を製造します。水素をボイラーで燃焼して蒸気をつくり、建物の柱、梁、壁、床などに使うプレキャストコンクリート板の養生工程へ熱を供給します。従来の都市ガス焚き蒸気ボイラーの稼働時間を減らし、電化が難しい高温・蒸気需要のCO2排出削減を目指します。
小型パッケージで工場展開へ
システムは水電解装置や制御機器を一体化し、再エネ出力の変動に追従して水素を製造します。大成建設が開発するEMSで太陽光、蓄電池、P2Gを統合制御し、余剰電力を有効利用する「やまなしモデル」の成立性を確かめます。500kW級に小型化・パッケージ化したことで、導入工事と設置面積を抑え、さまざまな事業所への展開を狙います。水素は長時間・季節間のエネルギー貯蔵にも使える一方、製造効率と設備費、安全管理が普及の課題です。太陽光の変動下で必要な蒸気を安定供給できるか、既存ボイラーとの協調運転を含めて確認します。実証で効率、運転安定性、保守性を確認し、化石燃料を使う産業熱の水素転換につなげます。