積水化学工業とニチコンは2024年7月8日、大阪本社の堂島関電ビルで、建材一体型フィルム型ペロブスカイト太陽電池に蓄電池とパワーコンディショナを接続し、館内へ電力を供給するシステムの運用を開始したと発表しました。
11階コワーキングへ電力供給
積水化学は2023年10月、同ビルの外壁にフィルム型ペロブスカイト太陽電池付き建材パネルを設置しました。今回、積水化学製リチウムイオン蓄電池ユニットとニチコン製トライブリッドパワーコンディショナを追加し、発電電力を蓄えて11階コワーキングスペースのコンセントなどで使います。停電時には非常用電源として利用でき、将来V2Hスタンドを増設すれば、発電電力による電気自動車の充電にも用途を広げられます。
既存建物で発電・蓄電を一体化
軽量で柔軟なペロブスカイト太陽電池は、耐荷重や形状の制約から従来型パネルを置きにくい外壁への導入が期待されます。一方、日射が変動するため、建物内で安定して使うには蓄電池と電力変換、負荷制御を組み合わせる必要があります。今回の運用は発電設備単体ではなく、建材、蓄電、非常電源を一つのシステムとして検証する点に意味があります。今後は方位や季節別の発電量、変換損失、蓄電池の充放電回数、保守費、停電時の供給時間を公開し、改修費を含む経済性を評価することが重要です。実測データを設計者と建物所有者が利用できれば、既存ビルの外壁を再エネ設備へ変える判断材料になります。外壁の意匠や防火性能との両立、電池交換時の施工手順まで整理すれば、発電設備を建築改修へ組み込む際の不確実性を減らせます。建物用途に応じた容量設計も必要です。
出典:積水化学・ニチコン発表