【水素コージェネ】パナソニック、草津市で燃料電池排熱を空調に活用する実証

パナソニックは2024年7月29日、滋賀県草津市の実証施設「H2 KIBOU FIELD」で、純水素型燃料電池の排熱を吸収式冷凍機に投入し、業務用空調の消費電力削減に活用する実証を開始すると発表しました。水素から電気と熱を同時に取り出すコージェネレーションの用途を広げます。

50kW燃料電池と8冷凍トンを連携

5kWの純水素型燃料電池10台を使い、排熱温度を従来の約60度から約70度へ高めます。これに合わせ、吸収式冷凍機が利用できる温水の下限温度を従来の約80度から約70度へ引き下げ、8冷凍トンの冷水を製造します。燃料電池の発電電力を施設で使うだけでなく、排熱でつくった冷水を業務用空調の補助に回す構成です。電気と熱を合わせたエネルギー利用効率は約95%を目標とし、空調に必要な電力を従来比で最大50%削減できるか検証します。

水素利用の採算性を排熱価値で高める

純水素型燃料電池は発電時に二酸化炭素を排出しませんが、水素の製造・輸送コストが導入の壁になります。排熱を給湯だけでなく冷房にも使えれば、年間を通じた設備稼働率と水素の利用効率を高められます。特に工場、データセンター、ホテル、病院など、電力と冷熱の需要が同時にある施設で適用余地があります。今後は外気温や空調負荷が変わる条件での効率、起動停止に対する追従性、保守費、水素価格を含む総コストの評価が必要です。再エネ由来水素との組み合わせや、停電時の自立運転まで実証できれば、脱炭素とレジリエンスを両立する分散型エネルギー設備としての導入判断につながります。電力・冷熱・排熱の計測境界を統一し、季節別の総合効率を示すことも、他施設が設備容量を選ぶ際の重要な情報になります。

出典:パナソニック発表

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