シン・エナジーは2024年7月18日14時37分、秋田県大潟村で建設していた籾殻バイオマス地域熱供給プラントが竣工したと発表しました。村内で生じる籾殻を燃料に90度の温水をつくり、地下の熱導管でホテルや温浴施設などへ供給します。
700kWの熱を3.5km先へ供給
設備はデンマーク製の350kWバイオマスボイラー2基で構成し、合計熱出力は700kWです。年間約1万4,000トン発生する籾殻のうち約1,800トンを使い、片道約3.5kmの熱導管を通じて5施設へ熱を届けます。化石燃料の使用を減らし、二酸化炭素排出量を年間約1,550トン削減する見込みです。監視制御システムでボイラー、配管、需要施設のデータを収集し、熱供給の状態を可視化します。事業者は村が出資するオーリスで、シン・エナジーが設計・調達・建設を担いました。
稲作副産物を地域内で循環
籾殻はかさ密度が低く灰分も多いため、運搬距離と燃焼設備の適合が採算を左右します。発生地に近い熱需要を束ね、年間を通じて温水を使う施設へ供給する今回の構成は、燃料輸送を抑えながら地域資源を活用する方法です。燃焼後に生じる籾殻燻炭は農業資材として販売し、土壌改良や炭素固定への利用も検討します。今後は熱需要の季節変動、燃料の含水率、配管損失、保守費を継続的に計測し、重油などの代替量と地域経済効果を示すことが重要です。稲作地域で再現可能な条件を整理できれば、農業と熱供給を結ぶ地域GXモデルの横展開につながります。燃料の保管量や灰処理まで含む運用実績を示せば、同様の設備を検討する自治体が規模と費用を見積もりやすくなります。燃料調達の安定性も検証対象です。
出典:シン・エナジー発表