横浜市は2024年7月17日、横浜港本牧ふ頭で、アンモニア燃料タグボートに対する燃料アンモニアの供給を実施したと発表しました。日本郵船、JERA、レゾナック・ホールディングスが連携し、タンクローリーから船へ直接供給するTruck to Ship方式として世界初の取り組みです。
本牧ふ頭でアンモニア燃料を船へ直接供給
対象は日本郵船が改造を進めていたアンモニア燃料タグボート「A-Tug」です。供給場所は本牧ふ頭A-4岸壁で、港湾管理者の横浜市が岸壁利用や関係部局との調整を支援しました。燃料の一部には、レゾナック川崎事業所で廃プラスチックを原料の一つとして製造した低炭素アンモニアが使われました。陸上側の車両からホースを通じて船舶へ供給するため、専用のバンカリング船を用いない点が特徴です。関係者は漏えい防止や作業手順、連絡体制を確認し、アンモニアを舶用燃料として扱う際の実務知見を蓄積しました。
燃料供給網と港湾の受け入れ体制を検証
アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出しない一方、毒性や腐食性への配慮が必要です。このため燃料船の開発だけでなく、製造、輸送、港湾での保管・供給、緊急時対応までを一体で整える必要があります。今回の供給は、横浜港が進めるカーボンニュートラルポート形成の一環であり、実船を用いて供給手順を確認した点に意義があります。今後は運航実績を重ね、燃料品質、供給量、作業時間、安全管理の標準化を進めることが、アンモニア燃料船の普及と国際的な燃料拠点の形成につながります。エネルギー分野では、設備を導入するだけでなく、運用データ、安全性、保守性、地域との調整を継続して検証することが事業化の前提になります。今回の発表は、その実装条件を具体化し、同種案件へ展開する際の判断材料を増やす動きといえます。