AGCは2024年3月25日、使用済み太陽光パネルのカバーガラスを原料に、フロート板ガラスを製造する実証試験に国内で初めて成功したと発表しました。試験は3月18日に茨城県神栖市のAGC鹿島工場にあるフロート板ガラス製造窯で実施し、トクヤマが低温熱分解技術で太陽光パネルから分離・精製したカバーガラス約5トンを使用しました。
生産量の多い板ガラスへ再利用
太陽光パネルの重量の約6割をガラスが占めますが、カバーガラスには光の透過率を高める成分が含まれ、透明性が求められるフロート板ガラスへの再利用は難しいとされてきました。AGCは原料の配合や溶融条件を調整し、品質を保ったガラス製造を確認しました。2023年には型板ガラスへの再利用にも成功しており、今回は用途をさらに広げました。
天然資源と製造時CO2を削減
フロート板ガラスは建築や自動車などで大量に使われるため、廃パネルガラスの大きな受け皿になり得ます。回収ガラスを原料として使えば、珪砂やソーダ灰など天然資源の使用量を減らし、原料の溶融に必要なエネルギーと温室効果ガス排出も抑えられます。大量廃棄が見込まれる2030年代を前に、ガラスからガラスへの水平循環を実用規模へ近づける技術です。