オリックスは2024年5月24日、FIP制度を活用し、再生可能エネルギーの環境価値を売買するバーチャルPPAの取り組みを開始すると発表しました。第1弾として、オリックス不動産が保有する「厚木Ⅲロジスティクスセンター」の屋根上太陽光発電設備を使い、施設内で消費しきれない電力の環境価値をグループ施設へ販売します。
電力と環境価値を分けて取引
バーチャルPPAは、発電した電力そのものと、CO2を排出しないという環境価値を切り分け、環境価値を需要家へ移転する契約です。需要家は既存の電力供給契約を維持しながら、再エネ利用に相当する脱炭素対応ができます。FITでは環境価値が電力の消費者側に帰属しますが、FIPでは発電事業者に帰属するため、発電事業者と需要家の間での取引が可能になります。
余剰分をグループ施設へ
厚木Ⅲロジスティクスセンターは神奈川県厚木市にあり、2024年4月に竣工しました。屋根上設備の電力はまず施設内で消費し、余剰電力に伴う環境価値をオリックス不動産が保有・管理するオフィスや運営施設へ販売します。オリックスは今後、全国の需要家を対象にFIP活用型のバーチャルPPAを展開し、環境価値の供給先を広げる方針です。
FIPは市場価格に連動して売電し、一定のプレミアムを受け取る制度です。このため発電事業者には市場取引と環境価値販売を組み合わせる余地があります。物流施設の大きな屋根は太陽光の設置余地がある一方、テナント需要を上回る時間帯もあります。余剰部分の価値を別拠点へ移すことで、屋根資産とグループ需要を一体で活用します。