出光興産、IHI、IHIプラントは、山口県周南市の出光興産徳山事業所にある商業用ナフサ分解炉で、既存燃料の2割超をアンモニアへ切り替えて燃焼する実証に成功しました。IHIは2024年4月26日、商業用ナフサ分解炉での燃料アンモニアの燃焼は国内初だと発表しました。
既設炉向けアンモニア専焼バーナを開発
実証は2024年2月6日から8日に実施しました。IHIがナフサ分解炉向けのアンモニア専焼バーナを開発し、既設炉のガスバーナの一部を交換しました。IHIプラントは、アンモニア貯蔵タンクや配管などの中間供給設備と、炉内のアンモニア燃焼設備の設置工事を担当しました。
IHIは2021年からバーナの開発に着手し、相生事業所の1MWth基礎燃焼試験炉で複数の試作機を評価しました。アンモニアは従来燃料より燃焼速度が遅く、燃焼時に窒素酸化物(NOx)が発生しやすいため、火炎形状や未燃アンモニア、NOx排出量を確認し、要求仕様を満たす形状を選定しました。
化学産業の燃料転換を検証
ナフサ分解炉は、ナフサを高温で分解し、エチレンやプロピレンなど石油化学製品の基礎原料を製造する設備です。大量の熱を必要とするため、燃料転換は化学産業のCO2排出削減に直結します。
今回の実証では既存炉の大幅な改造を避けながら、燃料の2割超をアンモニアへ置き換えて安定操業できることを確認しました。出光興産とIHIは、徳山事業所を軸にアンモニアサプライチェーンの構築も検討しており、燃料供給と需要設備の双方から商用化の可能性を探ります。
出典
IHI「出光興産徳山事業所のナフサ分解炉において、アンモニア燃焼技術を実証」