米国の非営利ESGアドボカシー団体Ceres(本部:ボストン)は2026年8月4日、データセンターの急拡大が電力会社にもたらすリスクへの対応策をまとめた投資家向けガイド「An Investor Guide to Addressing Electric Power Risk from Data Center Growth」を発表しました。データセンターは現在、米国電力需要の4〜5%を占め、今後さらに拡大が見込まれる一方、開発事業者は競争力維持のため急速な電力確保を求めており、電力会社側の対応が追いついていないと指摘しています。
7つのリスク領域を提示
ガイドは、電気料金上昇や環境影響への地域の懸念から生じる規制・レピュテーションリスク、系統整備の遅延による機会損失、データセンター向けに整備した設備が過剰投資となるコスト回収リスク、取引先企業に起因する信用リスク、水資源が逼迫する地域での取水・水質リスク、企業の炭素削減目標への影響、系統の信頼性・レジリエンスへの影響という7つの主要リスク領域を提示しています。
クリーンエネルギーと送電網増強を解決策に
解決策としては、再エネ電源の拡大や需給逼迫時にデータセンター側が受電量を抑制できる契約設計、分散電源とデマンドレスポンスの活用、蓄電池やスマートグリッド、バーチャルパワープラントなどの系統資産整備、需要予測に基づく計画策定を挙げています。特に送電網は需要対応と脱炭素化の両面で最大のボトルネックだと指摘し、高圧幹線の新設と既設線の高度化を急ぐ必要があるとしています。Ceres電力部門シニアディレクターのColette Lamontagne氏は「AIの急拡大は今後3〜5年の電力業界にとって試金石になる」と述べています。
各州で建設反対の動きも
データセンター建設をめぐっては電気料金上昇や地域環境への懸念から、ほぼ全州で建設の中止・停止を求める法案が提出されるなど反対運動が広がっています。Ceresは今回のガイドを、データセンターの持続可能性に関する一連の調査・提言活動の一環と位置付けています。
出典:Ceres