東京ガスは2025年3月6日、系統用蓄電池の最適運用サービスを開始し、初号案件としてレノバが開発する2カ所、合計165MWの需給運用を受託したと発表しました。対象は北海道苫小牧市の苫小牧蓄電所90MWと、静岡県森町の森町睦実蓄電所75MWです。
運用期間は2028年度から20年超を予定します。東京ガスは容量市場への対応に加え、卸電力取引市場と需給調整市場を含む複数市場で蓄電池を活用します。市場価格、需給、電池残量、劣化などを考慮して充放電計画を最適化し、設備の収益機会を高めながら電力系統の安定化を支えます。
東京ガスは2000年の電力事業参入以降、発電所の運用や市場取引を通じて需給最適化の知見を蓄積してきました。今回のサービスでは、その知見を自社電源だけでなく、他社が保有する大規模蓄電所へ展開します。本件は、レノバとの資本業務提携に基づく協業の一環です。
系統用蓄電池は、安い時間帯の電力を充電して高い時間帯に売るだけではありません。再エネの変動を補う調整力や、将来の供給力を提供する役割も担います。三市場の要件や価格は変化するため、複数の用途を切り替える運用技術が事業価値を左右します。
大規模案件では、充放電の指令、発電量計画、インバランス管理、保守との調整を長期間安定して行う体制が必要です。165MWの運用実績は、蓄電所の開発と運用を分業する国内市場の拡大に向けた重要な基準になります。サイバーセキュリティや通信障害時の代替運用も含め、遠隔制御の信頼性を確保することが求められます。