東京センチュリーは2025年3月10日、子会社Energy Gate4を通じ、佐賀県唐津市のニシハツ新本社工場で約1.1MWのオンサイトPPAとFIP制度を活用した余剰売電を開始したと発表しました。事業は3月1日に運用を始めています。
屋根を最大限使い余剰分は市場へ
Energy Gate4が工場屋根に太陽光設備を設置・保有し、発電電力を需要家のニシハツへ供給します。通常のオンサイトPPAは余剰電力を抑えるため、工場の最低需要に合わせて設備を小さく設計することがあります。今回は屋根を最大限活用して約1.1MWを設置し、自家消費後に余る電力をFIP制度の下で市場へ販売します。
FIPは、発電事業者が卸電力市場などで電力を販売し、その収入に一定のプレミアムを加える制度です。自家消費と市場売電を組み合わせることで、需要が少ない休日なども発電を止めず、設備利用を高める狙いがあります。
予測と計画提出をクラウドで自動化
東京センチュリーはアグリゲーターとして需給管理を担当し、Tensor Energyの「Tensor Cloud」を利用します。発電量予測と需要予測から余剰電力を見積もり、スポット市場への入札ファイルや各種計画ファイルを自動生成し、計画提出まで一貫して処理します。A&Tmが運営管理を担い、九電工が施工と保守を担当します。
屋根上太陽光を自家消費だけに限定せず、市場統合する仕組みを具体化した点が特徴です。一方、収益は市場価格、予測精度、インバランス、工場需要に左右されます。発電事業者、需要家、アグリゲーター、運用会社、施工会社の分業が、長期運用の安定性を支えます。
自家消費と市場統合を同時に進める
自家消費型太陽光は需要を超える発電を避ける設計が一般的でしたが、FIPを組み合わせれば余剰分も市場へ供給できます。屋根面積をより多く発電に使える一方、休日や生産変動を含む需要予測が重要になります。本案件は、工場PPAを需要家内の省エネ手段から、外部市場にも参加する分散型電源へ広げる事例です。