北海道岩見沢市、日立製作所、井関農機は、電動農機と可搬バッテリーを使い、地域内で再エネを循環させる実証試験を開始したと発表しました。井関農機の電動農機に、日立が開発したAC・DC併用の着脱式バッテリーを搭載し、自立型ナノグリッドで発電した再エネを農地へ運びます。
農繁期と農閑期で用途を切り替え
農繁期は充電済みバッテリーを必要な農地へ運び、電動農機の動力源として使います。農閑期には農機から取り外し、ナノグリッドや電気機器、臨時のEV急速充電設備などへ転用します。農業機械は季節によって稼働率が大きく変わるため、電池を車体に固定せず地域資源として共用することで、年間利用率を高めます。系統につながっていない作業地や地域産業にも電力を届けられます。
充放電計画を最適化
日立は天候、発電量、農作業予定、電池残量を踏まえ、必要な時期と場所へバッテリーを割り当てる充放電計画最適化技術を検証します。事前シミュレーションでは、適正な電池個数、農繁期のピーク電力抑制による契約電力の低減、余剰電力を別の作業地へ回す効果を確認しました。大規模農業では燃料費の上昇と脱炭素が共通課題です。3者は車両の電動化だけでなく、電池を地域で循環させる運用モデルまで含めて事業性を評価します。
可搬式は一つの電池を複数用途で使える反面、輸送、接続、充電状態の管理が複雑になります。電池の所在と劣化状態を常時把握し、農作業を妨げずに交換できる運用体制まで整備できるかが、地域展開の重要な検証項目です。
出典:日立製作所発表