シャープ、JAXA月着陸機SLIMに薄膜太陽電池を供給 総出力約540W

シャープは、同社製の薄膜化合物太陽電池を搭載したJAXA(宇宙航空研究開発機構)の小型月着陸実証機「SLIM」が、2024年1月20日に月面への高精度着陸に成功したと発表しました。搭載品は化合物3接合型セルをフィルムで封止したシートで、1枚の出力は20.9W。縦297mm、横271mm、厚さ0.25mm、質量約41gのシートを26枚搭載し、総出力は約540Wです。

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軽量・高効率で探査機の搭載制約に対応

宇宙機では打ち上げ重量と搭載面積が厳しく制約され、放射線や大きな温度差にも耐える必要があります。シャープの薄膜化合物太陽電池は、軽量で曲面にも搭載できる柔軟性と高い変換効率を両立します。基礎技術は、NEDOの支援を受けて2022年に変換効率32.65%を確認した化合物3接合型モジュールと共通です。シャープは1967年に宇宙用太陽電池の開発を始め、2023年11月末までに約190基の人工衛星へ供給しています。

想定外の姿勢でも発電機能を確認

SLIMは目標地点から東へ約55mの位置に到達し、100m精度のピンポイント着陸を実証しました。着陸時の姿勢が計画と異なり、直後は太陽光が当たらず発電できませんでしたが、太陽電池自体は正常に稼働していることが確認され、その後、日射条件が整うと運用を再開しました。月面での出来事は、発電性能だけでなく、軽量化と搭載自由度が探査機の生存性を左右することも示しました。

宇宙用太陽電池は地上用と異なり、面積当たりの発電量だけでなく、打ち上げ時の振動、放射線、真空、月面の急激な温度変化への耐性が問われます。26枚を分散配置する設計は、一部の受光条件が変わっても探査機全体の電源を確保しやすくする考え方です。

出典:シャープ発表

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