日本海水は香川県坂出市の讃岐工場で石炭火力発電設備を廃止し、出力9.4MWの木質バイオマス発電設備へ転換します。 本件は設備容量や契約量だけでなく、地域資源の使い方、長期的な運営体制、環境価値の帰属まで含めて確認すべき事業です。
事業・設備の要点
総事業費は約140億円で、国の補助金は最大約40億円を見込みます。2026年に工事へ着手し、2028年度の運転開始を予定します。燃料は年間約14万トンで、解体材、樹皮、間伐材、輸入木質燃料などを組み合わせます。タクマが発電設備の建設を担います。 バイオマス発電は燃料を貯蔵でき、天候にかかわらず計画運転しやすい再エネ電源です。一方で、燃料費、為替、輸送、設備稼働率の影響が大きく、燃料の持続可能性とライフサイクル排出量を含めた評価が欠かせません。地域未利用材や廃棄物を使う案件では、発電量だけでなく森林整備、廃棄物削減、雇用など地域循環への効果を具体的に測る必要があります。
意義と今後の焦点
自家電源の脱石炭化は工場のスコープ1排出削減に直結しますが、燃料転換後のライフサイクル排出量と資源循環性の検証が欠かせません。地域未利用材の比率、輸入燃料の認証、灰処理、設備稼働率を追うことで、転換の実質的な脱炭素効果を評価できます。 今後は計画値に対する実績、工事や運転の進捗、供給契約の履行状況を継続的に追う必要があります。設備が長期間にわたり地域と共存し、想定した発電量と脱炭素効果を実現できるかが評価の中心です。公表資料の更新時には、出力・年間発電量・運転開始時期・燃料または水資源の条件を照合し、変更があれば反映します。 また、関係企業・団体の役割分担、地域との協議状況、資金調達や制度利用の条件も整理し、計画変更や運転実績が判明した段階で記録を更新します。