NTT西日本/NTTアノードエナジーは、2026年6月1日、熊本県内のNTT西日本のビルで、熊本県阿蘇郡小国町の地熱発電所が生み出す環境価値の利用を開始すると発表しました。地熱発電を使うバーチャルPPAとして、契約構造と地域電源の活用方法を整理します。
発表内容と案件の概要
環境価値は、ふるさと熱電が100%出資して設立したわいた第2地熱発電が運営する発電所から調達します。NTTアノードエナジーが事業に出資し、NTT西日本への環境価値供給を組成します。利用量は年間約750万kWhで、NTT西日本は熊本県内の通信ビルなどの電力使用に対応する非化石価値として活用します。バーチャルPPAでは発電所から需要施設へ電力そのものを直接送るのではなく、発電に付随する環境価値を長期契約で移転します。既存の小売電力契約を維持しながら、特定の再生可能エネルギー発電所との関係を明確にできる点が特徴です。
事業上の位置付けと今後の焦点
地熱発電は天候や昼夜の影響を受けにくく、安定的に環境価値を創出できる再生可能エネルギーです。一方で、地下資源の調査、掘削、生産井・還元井の維持、蒸気量の長期管理に固有のリスクがあります。温泉事業者や地域住民との合意形成、熱水の還元、周辺環境の監視、地域への利益還元も不可欠です。PPAの評価では、契約期間、年間供給量、非化石証書の帰属、発電所の追加性、未達時の補完方法を確認する必要があります。通信インフラの安定運用と、地域で継続的に生み出される地熱由来価値を結び付けるモデルとして、実際の調達量とCO2削減実績が注目されます。