ユーラスエナジーホールディングスが、鹿児島県垂水市、鹿屋市、霧島市で計画していた最大192MWの「(仮称)垂水風力発電事業」を中断したことが分かりました。共同通信が2025年9月16日に報じました。資材価格や労務費の上昇で採算確保が困難になったことを理由としています。
最大32基、2029年運転開始を想定
計画では4~6MW級の風力発電機を最大32基設置し、2026年の着工、2029年の運転開始を想定していました。ユーラスは2022年7月に配慮書、2023年1月に方法書を提出して環境影響評価を進めました。大規模な陸上風力計画として調査・地域調整を続けていましたが、資材・工事費の上昇により投資前提の見直しを迫られました。
鹿児島大学演習林との重複も課題
想定区域の大部分は鹿児島大学の高隈演習林と重なり、大学は研究・教育への支障を理由に建設を受け入れない方針を事業者へ伝えていました。周辺には照葉樹林や希少猛禽類の生息地があり、国立公園からの景観や土砂災害リスクも論点となっていました。コスト上昇に加えて土地利用と自然環境上の制約が重なり、大規模陸上風力の事業化の難しさを示す事例となりました。