ユーラスエナジーホールディングスは、北海道幌延町の47.5MW「浜里ウインドファーム」で、海ワシ類のバードストライク防止を優先し、2025年3月25日から全14基を日の出1時間前から日没まで停止したと発表しました。同発電所は合同会社道北風力が運営し、4.3MW機14基を備え、2023年5月に営業運転を開始しています。
カメラと忌避音だけでは事故を止め切れず
営業運転開始直後からオジロワシやオオワシの衝突が確認され、2023年9月にはタワー側面とナセル上部に目玉模様を施工しました。さらに2024年12月、国内で初めて欧州で実績のある対策システムを全基へ導入。タワー高10mに360度カメラとスピーカーを配置し、半径1km圏で鳥類を検知・識別、300m以内への接近時に忌避音を発して進路変更を促す仕組みです。それでも複数の事故が続いたため、段階的な7基停止を経て全基の日中停止に踏み切りました。
発電量との両立より保護を優先
公式資料では2023年5月から2025年3月までに11件の確認事例が示され、うち多くをオジロワシが占めます。ユーラスは音量調整やカメラ検知率の改善、専門家と連携した原因調査、環境影響評価内容の検証を進める方針です。風況の良い道北で稼働率を下げる措置は事業収益に影響し得ますが、希少な海ワシ類の保護を最優先した運用判断です。風力発電の地域共生では、事前評価に加え、稼働後の監視結果に応じて運転方法を変える順応的管理が不可欠であることを示す事例となります。