フィリピン最大の民間電力配電会社マニラ電力(Meralco)は、2025年8月14日付の現地報道によると、傘下のメラルコ・パワージェン(MGEN)を通じて米国貿易開発庁(USTDA)から270万ドル(約1億5,287万ペソ)の技術支援助成金を受け、フィリピン国内での小型モジュール炉(SMR)導入に関する実現可能性調査を実施すると明らかにしました。メラルコのロニー・アペロチョ上級副社長兼COOは、フィリピン米国商工会議所主催のフォーラムの場で「近く調印式を通じて正式に合意する」と述べました。SMRは1基あたり最大30万kWの発電能力を持ち、従来型原発より短工期で建設できるとされます。同社は2022年にもUSTDAへ同様の調査助成を申請しており、今回の採択はメラルコの原子力推進姿勢が評価された結果とみられています。
この支援は、メラルコが2024年に開始した原子力エネルギー戦略移行(NEST)プログラムの一環であり、比エネルギー省(DOE)が掲げる2032年までに原子力発電を少なくとも1,200MW、2050年までに4,800MW導入するという目標とも合致します。米国のSMR技術に関する包括的な技術審査や候補技術の絞り込みが行われる見通しです。メラルコは小型炉に加え、休止中のバターン原子力発電所の再生も視野に入れているとしていますが、放射線関連の規制を統括するフィリピン原子力庁(PhilATOM)設立法はすでに議会を通過したものの、施行はまだ確定していません。比DOEが主導する原子力関連法制の見直し作業は2025年8月12~15日にかけて実施され、2018年のIAEA統合原子力インフラレビュー(INIR)の指摘事項への対応状況も点検されています。