米エネルギー省(DOE)は2025年8月20日、連邦電力法第202条(c)項に基づく緊急命令「Order No. 202-25-7」を中西部独立系統運用者(MISO)に対して発出し、ミシガン州ウェストオリーブに所在するJ.H.キャンベル石炭火力発電所(142万kW、Consumers Energy社所有)の運転継続を、MISOがConsumers Energy社と連携して確保するよう指示しました。同命令は2025年8月21日から同年11月19日まで有効です。
同発電所はもともと2025年5月末の閉鎖が予定されていましたが、DOEは同年5月23日、北米電力信頼度協議会(NERC)の夏季信頼性評価でMISO管内の供給予備力不足リスクが指摘されたことを受け、緊急命令により同年8月21日まで運転を延長させていました。今回はその後継命令にあたり、DOEはAI・データセンターや製造業の拡大による電力需要の急増に加え、火力・原子力発電設備の相次ぐ閉鎖により十分な供給力を確保できない状態が続いていると判断し、再度の延長に踏み切りました。
同命令をめぐっては、シエラクラブや天然資源防衛協議会など環境保護団体8団体が2025年9月8日に再審査・執行停止を求める申立てを行ったほか、ミシガン州司法長官も同年9月11日に介入・再審査を要請し、ミネソタ州・イリノイ州も9月19日に再審査を申し立てるなど、電力供給の安定確保と脱炭素政策・地域負担の在り方をめぐる議論が続いています。DOEは同年10月24日、これらの再審査請求を法定期限徒過により却下する通知を発出しています。