飯野海運は、石油資源開発(JAPEX)が秋田県男鹿市に保有する遊休地を活用し、「秋田申川太陽光発電所」を建設する。出力は約500kWで、2025年12月の運転開始を計画。JAPEXの開発支援を受け、飯野海運が100%出資する合同会社が発電所を保有する。

電力価値は市場、環境価値は自社不動産へ
想定年間発電量は約72万kWhで、飯野海運が保有する都内オフィスビルの年間電力需要量の約3%に相当する。発電した再エネの価値を電力価値と環境価値に分離し、電力価値は卸電力市場へ売却、環境価値は証書として飯野海運の不動産事業へ供給する。長期・安定的な環境価値調達により、年間約291トンのCO2排出削減を見込む。
2030年までに共同で30MWを目指す
JAPEXは、技術確認、EPC、O&M、アグリゲーター選定、事業採算性の検証などを支援した。両社は2024年12月に太陽光発電所の共同事業に関する基本合意を締結し、2030年までに累計約30MWを開発する方針を掲げる。申川案件はその第1号。自社遊休地で発電しつつ、電気は市場で収益化し、環境価値だけを需要家の保有ビルへ届けることで、立地と需要地点を切り離した脱炭素調達を実現する。
案件規模は500kWと小さいものの、遊休地の提供、事業主体、開発支援、電力販売、証書利用を分担した第1号モデルという意味を持つ。飯野海運は発電所を直接需要地に隣接させず、自社ビルのScope2削減に必要な環境価値を長期確保できる。JAPEXは発電所の所有者ではなく開発支援者として参画し、将来の共同案件に向けてEPC・O&M・アグリゲーションの選定知見を蓄積する。30MW目標に対する第1号の比率は約1.7%で、今後の案件積み上げが必要となる。