欧州連合統計局(Eurostat)は2025年8月14日、2025年第1四半期におけるEU経済全体の温室効果ガス(GHG)排出量が二酸化炭素換算で9億tと推計され、前年同期(8億7,100万t)比3.4%増加したと発表しました。同時期のEU域内総生産(GDP)は前年同期比1.2%増でした。この統計は、四半期ごとのGHG排出量をGDPや雇用など社会経済指標と併せて分析できるようEurostatが公表している四半期排出量推計に基づくもので、季節調整を行わず前年同期と比較する方式を採用しています。
部門別では、電力・ガス・蒸気・空調供給部門(前年同期比13.6%増)と家庭部門(同5.6%増)の増加幅が最も大きく、製造業(同0.2%減)、運輸・倉庫業(同2.9%減)、農林水産業(同1.4%減)の3部門は減少しました。国別では、EU27カ国中20カ国で排出量が増加し、7カ国で減少しました。ブルガリア、チェコ、キプロス、ポーランド、ハンガリー、ギリシャの6カ国は5%超の増加が推計された一方、マルタ(同6.2%減)、フィンランド(同4.4%減)、デンマーク(同4.3%減)で減少幅が最大となりました。減少した7カ国のうちエストニア、ラトビア、ルクセンブルクの3カ国はGDPも減少した一方、デンマーク、フィンランド、マルタ、スウェーデンの4カ国はGDPを伸ばしつつ排出量を減らしています。Eurostatの推計方式は国際運輸部門の排出量を各国合計に含める点で国連(UNFCCC)方式と異なります。EUは欧州気候法に基づき、2030年までに1990年比55%純減、2050年の気候中立達成を目標としています。
出典:https://ec.europa.eu/eurostat/web/products-eurostat-news/w/ddn-20250814-1