住友化学の2027年3月期第1四半期は、売上収益5,782億円、コア営業利益623億円、親会社帰属利益408億円となりました。決算説明資料によると、コア営業利益は前年同期比125%増です。農薬、半導体プロセス材料、石化交易条件の改善が寄与する一方、一時的な在庫評価や持分法損益を含むため、利益の再現性を見極める必要があります。
高付加価値分野と基礎化学の二面性
ICT&モビリティでは半導体プロセス材料の出荷が増えましたが、ディスプレイ材料の価格低下などでセグメント利益は減少しました。アグロ&ライフは農薬出荷と飼料添加物の交易条件改善で増益です。一方、エッセンシャル&グリーンは石化市況、原料価格、海外拠点の稼働に左右されます。
財務改善は進むが変動要因も大きい
住友ファーマの増資などによりD/Eレシオは2026年3月末の0.93倍から6月末0.80倍へ改善しました。通期コア営業利益予想は2,150億円ですが、製品市況、ナフサ、為替、中東情勢、ペトロ・ラービグの採算が振れ要因です。基礎化学の改善が市況頼みか、構造改革による固定的な効果かを分けて見る必要があります。
半導体・農薬への資本配分
成長評価の中心は、半導体材料、農薬、先端医療など高付加価値事業へ資本を移せるかです。大型化学設備は電力・蒸気消費が大きく、GX投資は排出削減だけでなくエネルギーコストと設備競争力に直結します。投資家はセグメント別ROIC、設備投資回収、事業売却後のキャッシュ創出を継続確認すべきです。