オイレス工業株式会社は、2026年8月6日、フランス沖で進行中の浮体式洋上風力発電のパイロットプロジェクト「EOLMED」において、同社の樹脂製すべり軸受「ファイバーフロンGH」が採用されたことを発表しました。
同プロジェクトは、フランスの独立系再生可能エネルギー事業者Qairが主導し、BW Ideol社の特許技術「Damping Pool®」による浮体基礎を用いています。2025年12月には、フランス南部の沖合に直径164メートルの風車を備えた10MW級の大型設備3基が設置されました。2026年4月に送電が開始され、翌5月には最大出力での運転が可能となり、合計30MW(約5万人分の消費電力に相当)の発電規模に達しています。
過酷な海洋環境に耐え抜く25年以上の耐久性
今回導入された「ファイバーフロンGH」(直径約30センチ、長さ約40センチ)は、海面に浮かぶ基礎を固定する係留チェーンとの接続部に使用されています。特殊繊維と充填剤を高密度に組み合わせたことで高い耐摩耗性を誇り、固体潤滑剤による優れた自己潤滑性も備えています。これにより、長期間にわたり無給油で安定した性能を発揮できるとしています。
設備は25年以上の連続稼働が求められるため、メンテナンスフリーでの運用が必須条件でした。同社はBW Ideol社と協議を重ね、海水を用いた独自の社内評価試験を通じて実際の使用環境を再現。その結果、25年以上の耐久性が確認され、採用が決定しました。同社は2024年2月に当該製品を供給しており、現在順調にプロジェクトの稼働を支えています。
国内外で拡大する浮体式洋上風力市場を見据えて
日本国内においても、2025年8月に「洋上風力産業ビジョン(第2次)」が策定され、2040年までに15GW以上の浮体式洋上風力案件を創出する政府目標が設定されました。BW Ideol社は現在、東北電力とともに岩手県久慈市沖での事業化調査を進めているほか、フランス地中海(2031年運転開始予定)やスコットランド沖(2033年運転開始予定)でも商業プロジェクトを計画しています。同社は今後も、各設置場所の環境や耐久要件に適合する製品の研究開発を継続し、急拡大する再生可能エネルギー産業の基盤を技術面から支えていく方針です。