シンガポール拠点のハイパースケールデータセンター事業者ブリッジ・データセンターズ(BDC、ベインキャピタル傘下)と電気機器メーカーのモロン・エレクトリックは2026年8月6日、AIデータセンター向けとして「世界初」を謳う完全プレハブ型電源モジュール「PowerCore 5.0」を共同発表しました。標準40フィートコンテナに変圧器・受配電設備・UPS・冷却・消火・監視システムまでを工場で一体組み込みし、現地では配線接続のみで稼働できる仕様としています。
AI向けラック電力密度は10kWから100kW超へ急上昇しており、従来の現地据付中心の調達では対応が追いつかなくなっています。BDCのチャンCTOは「電源設計の考え方そのものを見直す必要がある」と説明し、モロンのチャン会長も「AIハードウェアは月単位で進化しており、現地システム統合はもはや追随できない」と課題を強調しています。工期は現地工事と工場生産を並行させることで従来比5割超短縮でき、大規模キャンパスでは2週間ごとの導入も可能になるといいます。UPSや変圧器はスライドレール式で交換でき、停止させずに保守できる点も特徴です。BDCはマレーシア・タイ・インドなど東南アジア中心に事業を展開しており、2030年までに世界で3GW規模の供給能力確保を掲げています。今回の量産型電源モジュールは、その拡張計画の実行力を左右する布石となりそうです。