環境省は、2026年6月25日、令和8年度「駐車場等への太陽光発電設備の導入促進事業」の二次公募を発表しました。ソーラーカーポート、ソーラーロード、充電設備などを対象とし、分散型電力システムの構築と地域共生型エネルギー社会の加速につなげるとしています。
ソーラーカーポートは、駐車場の上部に太陽光モジュールを載せ、車を置く機能と発電を両立する設備です。新たな造成用地を必要とせず、店舗や工場で電力を自家消費しやすい点が特徴です。日射を遮って車内温度の上昇や舗装面の蓄熱を抑え、EVの昼間充電、蓄電池と組み合わせたBCP対策にも利用できます。
スペインで進むEVとの一体運用
欧州では、EUが2030年までに太陽光発電容量700GW以上を目指す中、建物だけでなく駐車場も導入先になっています。当サイトが紹介したスペインの事例では、マラガなど南部を中心に公共施設や商業施設の駐車場で大規模設備が見られ、強い日射を電源と日よけの双方に使っています。EUの研究・実証事業「MEISTER」も、マラガを含む3都市でEV充電と再エネの統合を検証しました。
背景には、昼間に駐車する車両と太陽光の発電時間が重なり、発電電力を施設負荷やEVへ振り向けやすいことがあります。高温化で日陰の価値が高まる一方、系統からの受電量やピーク需要を抑える効果も期待されます。
日本でもメガワット級が相次ぐ
国内では政策支援に加え、初期投資をPPA事業者が負担するオンサイトPPAが普及を後押ししています。ジョイフル本田宇都宮店の事例は346台分、出力1,126.4kWで、想定年間発電量は1,207,090kWh、CO2削減量は486.4tです。電力自給率17.3%を見込み、既存駐車場をメガワット級の自家消費電源へ転換しました。
リコーPFUコンピューティング鳥取事業所の事例は約1.2MWで、年間約1,407MWhを発電し、事業所使用電力の約20%を賄う計画です。年間約727tのCO2削減に加え、災害時には避難場所やスマートフォン充電用電源としての活用も想定しています。
普及には、屋根置き太陽光より増えやすい架台・基礎工事費、風荷重・積雪、排水、車高、照明、受変電設備や系統連系の設計が課題です。PPA単価、施設の昼間需要、EV充電量を精査し、蓄電池やEMSまで含めて自家消費率を高められるかが採算性を左右します。土地制約の大きい日本では、駐車場を発電・充電・防災の複合インフラとして使う動きが今後も広がりそうです。
出典
環境省「令和8年度 駐車場等への太陽光発電設備の導入促進事業(二次公募)」
しろくま電力「ジョイフル本田宇都宮店にソーラーカーポートを設置」
リコーPFUコンピューティング「鳥取事業所にメガソーラーカーポートを導入」