スウェーデンのStudsvik社は2026年5月25日、本拠地であるニーショーピン自治体の既存原子力サイト一帯に、60万~140万kWの新規原子力発電容量を建設する申請をスウェーデン政府に提出したと発表した。許認可取得を前提に、2030年代の初号機商業運転開始を目指す。同社が今春政府へ提出した申請としては2件目で、3月に子会社Kärnfull Next社がヴァルデマーシュビクで申請した120万~160万kWのSMR案件に続くもの。申請書はブリッツ雇用相(気候・環境相代行)に、テデーン社長兼CEOと新設プロジェクト責任者のショーランド氏が手渡した。
ニーショーピン計画は、Studsvik社が今年Kärnfull Next社買収により獲得した「ReFirm」プログラムの一部で、EU域内でも最も進んだ複数拠点型SMR開発プログラムの一つとされる。同プログラムはヴァルデマーシュビク、モータラ、カールスハムンでも案件を推進している。テデーン氏は「スウェーデンは新規原子力の建設を決定しており、一世代ぶりの規模で新たな安定的・脱炭素電源が必要だ」とし、ニーショーピンが持つ現役原子力サイトとしての実績と技術者層の厚さを実際の発電容量に転換していく考えを示した。
SE3価格エリアの需給逼迫と政府の融資枠組みが後押し
スウェーデンでは鉄鋼・化学・運輸やデータセンター産業の電化により電力需要の大幅な拡大が見込まれる一方、既存原子力設備は今世紀半ばに運転年限を迎える。政府は2026年、今後10年で新規原子力約500万kWを支える2,200億スウェーデンクローナの融資枠組みと差金決済契約(CfD)制度を発表済み。ニーショーピンはストックホルムと同じSE3価格エリアに位置し、需要が集中し供給不足が深刻化している地域。今回の申請は政府審査を皮切りに、自治体、土地環境裁判所、スウェーデン放射線安全機関を含む許認可プロセスの第一段階となる。