欧州送電系統運用者ネットワーク(ENTSO-E)は2025年12月17日、欧州電力システムの供給力(リソース・アデカシー)を今後10年先まで点検する年次評価書「European Resource Adequacy Assessment 2025(ERAA 2025)」を公表しました。同評価書は、各国の拘束力あるエネルギー目標・計画・見通しをもとに、需給バランスに悪影響を及ぼしうる幅広い事象を考慮して作成されています。
ENTSO-Eは報告書の中で、今後10年間の供給力リスクへの対応に向けた迅速な行動の必要性を強調しました。短中期(2028〜2030年)では、6〜8GW規模の発電容量が廃止されるリスクがあると指摘。2035年までには一定の供給力拡大が見込まれるものの、投資家の投資戦略次第で不確実性が残るとしています。
追加の容量メカニズムや柔軟性拡大が必要
ENTSO-Eは、適切な地点・タイミングで十分な容量を確保するには、追加の容量メカニズムなどの対応が必要になる可能性があるとの認識を示しました。あわせて、欧州は連系線を含む柔軟性対策やインフラの整備を加速する必要があるとしています。ERAA 2025は全欧州の送電系統運用者(TSO)の知見を結集して作成されており、TSOは加盟国や欧州当局が供給力リスクに対応する意思決定を支援する役割を担うとしています。
ENTSO-Eは2025年12月17日から2026年2月13日まで、本評価書に関するステークホルダーからの意見公募を開始したほか、正式決定に向けてEU域内エネルギー規制当局協力機関(ACER)に評価書を提出しました。ERAA は加盟国ごとの供給力評価とあわせて用いられ、欧州全体で整合の取れた供給力リスク分析を提供することを目的としています。
出典:https://www.entsoe.eu/news/2025/12/17/entso-e-releases-latest-european-resource-adequacy-assessment/