欧州委員会(EC)は2026年1月14日、EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)が2026年1月1日から順調に施行されていると発表しました。全加盟国でCBAM登録システムと各国税関の輸入システム、TARIC、EU税関シングルウィンドウなどが円滑に連携し、リアルタイムでのデータ交換や申告処理が実現しているとしています。
CBAMは、EU域内に輸入される鉄鋼やアルミニウム、肥料、セメント、電力、水素などの炭素集約型製品について、生産過程で排出される炭素に公正な価格ペナルティを課し、非EU諸国のクリーンな工業生産への移行を促す制度です。2026年1月1日からは、CBAM対象品の認可について、50t基準の監視を含め税関が輸入通関前に検証する本格的な運用段階に入りました。中小企業(SME)輸入事業者向けにはオムニバス法案に沿った負担軽減措置も講じられています。
申請・申告の実績
ECによると、2026年1月7日までに1万2,000者を超える事業者がCBAM認可申請を提出し、うち4,100者超が認可宣言者の資格を取得しました。1月1~7日の間には、CBAM対象品を含む1万483件の輸入申告が統合された税関システムを通じて自動かつリアルタイムで検証されています。輸入申告量が多かった加盟国は、ベルギー、スペイン、ルーマニア、オランダ、フランス、ドイツの順でした。
対象品目と主要輸出国
1月1~6日に申告されたCBAM対象品は約165万5,613tで、内訳は鉄鋼が98%を占め、肥料1.2%、セメント0.5%、アルミニウム0.3%と続きました。一方、電力・水素の申告は暫定的にゼロで、今後のデータ反映を待つとしています。主な原産国はトルコ、中国、インド、カナダ、台湾、ベトナムでした。ECは、未申請の事業者に対し早期の認可申請を呼びかけています。