欧州委員会は2026年1月20日、EUのサイバーセキュリティに関するレジリエンスと能力を強化する新たな「サイバーセキュリティパッケージ」を提案したと発表しました。同パッケージは、情報通信技術(ICT)サプライチェーンの安全性を高める改訂版サイバーセキュリティ法案を柱とし、認証手続きの簡素化やEUサイバーセキュリティ機関(ENISA)の機能強化も盛り込んでいます。
改訂版サイバーセキュリティ法は、サイバーセキュリティ上の懸念がある第三国サプライヤーに起因するEUのICTサプライチェーンのリスク低減を目指すもので、EUと加盟国が18の重要分野にわたり、経済的影響や市場供給も考慮しながらリスクを共同で特定・軽減できる、調和的かつリスクベースの「信頼できるICTサプライチェーン安全枠組み」を定めています。5Gセキュリティツールボックスでの取り組みを土台に、高リスクな第三国サプライヤーからのEU域内モバイル通信網の脱却を義務付けることも可能になるとしています。
認証枠組みの簡素化とNIS2指令の改正
刷新される「欧州サイバーセキュリティ認証枠組み(ECCF)」により、認証スキームは原則12カ月以内に策定できるようになり、手続きの明確化と迅速化が図られます。あわせてNIS2指令の一部改正案も示され、法的明確性の向上により、中小・零細企業6,200社を含む2万8,700社の事業者の規制遵守負担を軽減し、新たに「中堅中小企業」区分を設けて2万2,500社のコンプライアンスコストも抑えるとしています。
承認後は加盟国が1年以内に国内法制化
改訂版サイバーセキュリティ法は、欧州議会とEU理事会の承認後、直ちに適用される見通しです。NIS2指令の改正案もあわせて承認手続きに付され、採択後は加盟国が1年以内に国内法へ反映することになります。
出典:https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_26_105