国土交通省は、2024年3月28日、2024年度に着手する下水道革新的技術実証事業「B-DASH」のFS調査2件と、下水道応用研究3件の計5技術を採択しました。脱炭素化、感染症モニタリング、下水汚泥資源の肥料利用を重点分野とし、民間企業、大学、自治体などの共同研究体が技術性能と導入可能性を検証します。

Ex-situ型バイオメタネーションを2件採択
B-DASH FSでは、日立造船と日本下水道事業団の共同研究体による「下水汚泥消化ガスのEx-situ型バイオメタネーション反応技術に関する調査事業」を採択しました。消化ガスへ水素を加え、消化槽とは別の反応槽で高濃度メタンへ変換し、日本の制度や処理場条件に適合する都市ガス利用などを検証します。
もう1件は、日水コン、明電舎、ユニアデックス、三機工業、NSCテック、東北大学、仙台市による下水バイオマーカーセンサです。ウイルスより高濃度で存在する感染症関連タンパク質を測定し、IoTと組み合わせて感染症動向をリアルタイムに把握する技術を開発します。
液肥・嫌気性消化の研究も実施
下水道応用研究では、京都大学、荏原実業、東邦ガスによる担体式Ex-situバイオメタネーションリアクターの開発、豊橋バイオマスソリューションズ、豊橋技術科学大学、湖西市による小規模処理場向け嫌気性消化の高効率化と高品位バイオ液肥製造、岩手大学、山形大学、岩手県、日水コンによる分離液からのリン、カリウム、アンモニア態窒素の回収・濃縮を採択しました。
採択は商用導入の決定ではなく、FSや研究を通じて反応効率、ガス品質、設備エネルギー消費、肥効、安全性、維持管理性などを確認する段階です。EPC、計測制御、水素設備、ガス利用、肥料流通の事業者には実証参画や将来の設備更新案件につながる可能性がありますが、自治体への普及は実証結果とガイドライン整備後となります。