Microsoft社は2026年3月24日、原子力発電所の許認可・設計・運用を加速するAIツール群を提供する「AI for nuclear」構想でNVIDIA社と協業すると発表しました。同構想は、サイト許認可・設計・建設・運用に至る原子力発電所のライフサイクル全体にAIとデジタルツインを適用し、開発期間の短縮と手戻りの排除を目指すものです。米国テキサス州ヒューストンで開催されたCERAWeek 2026において発表されました。
技術基盤には、NVIDIAのOmniverse、Earth 2、CUDA-X、AI Enterprise、PhysicsNeMo、Isaac Sim、Metropolisと、MicrosoftのGenerative AI for Permitting Solution AcceleratorおよびPlanetary Computerが組み合わされ、Azure上で原子力エネルギー向けの包括的なAI基盤を構築します。
許認可期間の大幅短縮という実績
小型モジュール炉(SMR)開発企業のAalo Atomicsは、Microsoft Generative AI for Permittingの活用により許認可手続きの所要期間を92%短縮し、年間約8,000万ドルのコスト削減を実現したと報告しています。同社のヤシル・アラファトCTOは「複雑な取り組みを企業規模で展開するには、実績に裏打ちされた信頼性が不可欠だ」とコメントしています。
事業者・研究機関への展開
サザン・ニュークリア社は、エンジニアリングや許認可業務を含む発電所群全体でMicrosoft Copilotを用いたAIエージェントを開発・展開しています。アイダホ国立研究所(INL)も、複雑なエンジニアリング・安全性解析レポートの作成を自動化するAI活用の先行事例となっています。さらにNVIDIA Inception参画企業のEverstarや、Atomic CanyonのNeutronプラットフォームがMicrosoft Marketplaceを通じて提供され、エコシステムの拡大が進んでいます。