函館寅沢ウインド合同会社は、2026年7月23日、北海道函館市寅沢町などを対象区域とする「(仮称)函館寅沢風力発電事業」の実施見送りと環境影響評価法に基づく対象事業の廃止を発表しました。同社はこれまで、再生可能エネルギーの供給を目的として地域住民や自治体の協力を得ながら検討を重ねてきましたが、総合的な事業性を考慮した結果、計画を取りやめる決断を下したとしています。今後は関連法令を遵守し、廃止手続きを進める方針です。

本事業は、函館市内の山林区域に陸上風力発電設備を建設し、クリーンな電力を供給する取り組みとして計画が進められていました。事業者側は環境影響評価の枠組みの中で計画の成立可能性を慎重に探り、持続可能なエネルギー事業としての立地可能性を検証してきました。
事業性の総合評価と地域の環境保護の要望
一方で、事業実施区域が地域の水源地や自然環境に近接していたことから、地元では水質や生態系への影響を懸念する声が上がっていました。市民からは計画の見直しや撤回を求める3万筆を超える署名が提出されたほか、函館市議会でも公明党を含め全会一致で事業に関する決議が採択されるなど、地域全体で慎重な判断を求める動きが広がっていました。
事業者による今回の見送り決定は、開発側が事業性を総合的に勘案した結果であると同時に、地域の環境保全に対する意向が反映された対応とも言えます。再生可能エネルギーの拡大と地域社会の環境保全とのバランスをどのように取るかを示す事例として、今後の事業開発においても注目される動きとなりました。
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