経済産業省・資源エネルギー庁は2024年4月1日、災害時に自治体がスマートメーター由来の電力データを活用するための「自治体防災業務における電力データ利活用マニュアル」を公表しました。停電地域や復旧状況を把握し、避難支援、被災者の見守り、罹災証明などへ利用する際の手続きと注意点を整理しています。

電気事業法第34条第1項では、国民の生命、身体、財産に重大な被害が生じる緊急事態への対応に必要な場合、経済産業大臣が一般送配電事業者や配電事業者に対し、自治体などへの情報提供を求めることができます。2023年9月には電力データ集約システムの運用が始まり、複数の送配電エリアにまたがる情報を一定の手順で取得できる基盤が整いました。
マニュアルは、包括要請と個別要請の使い分け、申請様式、利用規約、データ取得方法、庁内の責任体制、個人情報保護、利用終了後の削除などを示します。電力使用の有無や復旧状況は、住宅の在宅可能性や地域の生活再開状況を推定する材料になりますが、個々の住民の状態を断定できる情報ではないため、他の防災情報と組み合わせる必要があります。
自治体には、平時から利用目的、担当部署、端末、アクセス権限、委託先管理を定め、訓練を行うことが求められます。一般送配電事業者、データ基盤事業者、GIS、防災システム企業には、迅速なデータ連携とセキュリティ確保が重要になります。停電情報を地図上で可視化し、支援の優先順位を決める実務基盤として活用が広がる可能性があります。
出典:経済産業省