関西電力、DX推進者6000人を育成へ 発電・電力取引にもAIを実装

関西電力は、2026年5月13日、「関西電力グループ DX・AI戦略」を発表しました。生成AIやAIエージェントの進展を受け、従来のDXビジョンとロードマップを更新し、発電、送配電、燃料調達、電力需給・取引、小売、オフィス業務などでAIを前提とした業務再構築を進めます。

人材面では、2028年度末までにDX推進者を約6000人、高度DX人財を約70人へ増やす目標です。対象者を高度DX人財、DX推進者、全社員の3層に分け、独立行政法人情報処理推進機構のデジタルスキル標準に基づいて必要な能力を定義しました。2025年度には31講座の研修コンテンツを提供しています。

データサイエンスから発電所運営まで

高度DX人財には、プロダクトマネージャー、ビジネスアナリスト、UX・UIデザイナー、データビジネスストラテジスト、データサイエンスプロフェッショナルなどの専門領域があります。単にシステムを保守する技術者ではなく、業務課題を発見し、AIやデータを使って事業を設計できる人材を重視する方針です。

関西電力グループは2018~2025年度にDX関連で805件のPoC(概念実証)を行い、このうち563件を実用化しました。具体例には、火力発電所におけるロボット・センサーとAIを用いた巡視点検、水力発電所での流氷雪自動検知、設備異常の予兆検知、営業活動の支援などがあります。今後はAIによるアセット運用、燃料・電力取引の高度化や、顧客対応を支援するAIエージェントの導入も対象になります。

2026~2028年度のDX投資は年平均約260億円、効果は同約360億円を見込み、2019年度からの累積IRR(内部収益率)は約14%になるとしています。DXを間接部門の効率化にとどめず、収益や設備稼働率に結び付ける構成です。

電力とデジタルを横断する人材に機会

就職・転職希望者にとって注目されるのは、IT部門だけでなく、原子力、火力、水力、送配電、需給運用、小売など、従来の電力部門にもデジタル能力が求められる点です。電気工学や機械工学に加え、データ分析、サイバーセキュリティ、クラウド、AIガバナンスの知識を持つ人材の活動領域が広がります。

一方、育成人数は採用予定数を示すものではなく、社内人材のリスキリングも含みます。応募者は募集職種ごとの業務内容、必要資格、勤務地、配属制度を確認したうえで、自身の専門性をどの事業領域で生かせるかを見極める必要があります。

出典 関西電力グループ DX・AI戦略

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