豪州の大手エネルギー事業者Origin Energyは2026年1月20日、同社が保有するEraring石炭火力発電所(4基合計出力288万kW)の運転を、当初予定の2027年8月19日から2029年4月30日まで延長すると豪州エネルギー市場運営者(AEMO)に通知したと発表しました。ニューサウスウェールズ州(NSW)のエネルギー移行期における電力供給を支えることが目的だとしています。

同延長により、AEMOが公表した「システムセキュリティ移行計画」で指摘された系統安定性へのリスクが低減され、NSW州の家庭・企業への信頼性の高い電力供給を継続できるとしています。フランク・カラブリアCEOは、顧客のニーズや市場動向、NSW州の電力システムにおける同発電所の重要な役割など複数の要因を検討した結果だとし、送電網の増強や再エネ・蓄電池プロジェクトの整備に、より多くの時間を確保できるとしています。
追加の大規模改修は実施せず
同社はこれまでEraringの4基の維持管理に多額の投資を行ってきましたが、2029年4月の廃止を前に、今後は大規模な改修工事への投資は行わない方針だとしています。今回の延長は、2050年までのネットゼロ目標を含む同社の気候変動対応計画には影響しないとしています。
跡地では蓄電池事業が拡大
2029年以降もEraring敷地は電力市場で重要な役割を担う見通しで、同地内で整備中の大規模蓄電池は2025年後半に一部稼働を開始しており、2027年第1四半期までに全段階が完成すれば、出力700MW・容量3,160MWh、平均4.5時間分の貯蔵能力を提供するとしています。