【解説:洋上風力促進WG(第44回)その4】浮体式洋上風力、300MW規模の実証で商用化へ

経済産業省と国土交通省が2026年7月14日に開催した、洋上風力促進ワーキンググループと洋上風力促進小委員会の第44回合同会議について解説します。

第4回は、日本の広い海域を生かすうえで重要となる浮体式洋上風力です。政府は、技術開発と海外事業への参画を先行させ、その成果を300MW程度の中規模実証と国内商用案件につなげる方向性を示しました。

浮体式はなお技術開発段階

浮体式洋上風力は、海底に基礎を固定する着床式と異なり、浮体構造物に風車を設置して係留する方式です。水深の大きい海域でも導入できるため、遠浅の海が少ない日本では大きな可能性があります。

一方、世界的にも技術開発の途上にあり、浮体の量産、係留、海底ケーブル、施工、保守などの技術確立が必要です。インフレによる建設費上昇もあり、低コストで量産できるサプライチェーンと、明確なコスト低減の道筋が求められています。

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2027~2032年に大水深・過酷海域実証

政府は2027~2032年を想定し、海象条件が日本と類似するアジア太平洋地域への展開も念頭に、実機風車を使った大水深・過酷海域実証を進める方針です。

さらに、技術開発から商用化への橋渡しとして、各取り組みの進捗や市場環境を踏まえ、300MW程度の中規模実証事業の組成を検討します。従来の小規模な実証から、量産や商用運転を見据えた規模へ移る点が重要です。

英国など海外案件から知見を蓄積

海外では2026年以降、英国などの実証・商用プロジェクトへの日本企業の参画を促します。政府は2040年までに日本企業が30GWの海外案件に関与する目標を掲げ、アジア太平洋市場へのサプライチェーン展開も目指します。

技術面では、浮体式洋上風力技術研究組合「FLOWRA」を核に国内企業の技術力を高め、欧州との連携を通じて国際標準化を進めます。海外事業で得た設計、施工、運転・保守の知見を国内案件に還流させる考えです。

委員からは、風車メーカーから供給を受けるには一定規模の発注量が必要であり、300MW程度の実証を早期に進めるべきだとの意見が出ました。また、英国や欧州案件に参加する日本企業の経験を集約し、国内の大規模商用案件につなげることや、国際協力を強化する必要性も指摘されました。

浮体式の本格導入にはなお技術・コスト面の課題がありますが、今回示された300MW実証は、小規模な研究開発から商用化へ移行する重要な橋渡しとなります。

(続く)

出典

洋上風力促進ワーキンググループ・洋上風力促進小委員会 合同会議(第44回)

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