経済産業省・資源エネルギー庁は、2024年2月28日の第89回制度検討作業部会で、FIT非化石証書のトラッキング情報を特定の小売電気事業者や需要家へ先に結び付ける「優先割当」の見直し方針を示しました。小売買取や発電事業者との個別合意に基づく優先割当は基本的に廃止し、市場を通じて属性情報を配分する仕組みへ移行します。
非化石証書のトラッキング情報には、発電種別、発電所名、所在地、運転開始時期などが含まれます。RE100などに対応する需要家は、証書がどの発電所に由来するかを確認できます。一方、従来の優先割当では、特定の当事者が属性情報を先に確保できるため、より高い価格で入札する他の買い手が希望する属性を受け取れない場合がありました。
既存の長期契約には経過措置
見直し後は、買い手が入札時に電源種や所在地など希望する属性を示し、価格や希望順位を踏まえてトラッキング情報を割り当てる方式が基本となります。ただし、再エネ特定卸供給契約に基づく優先割当は当面継続します。また、小売買取や個別合意に基づく案件でも、既に優先割当を利用している事業者や、再エネ開発・長期契約を前提に事業計画を組んだ案件には経過措置を設けます。
会合では、事業者や需要家への追加アンケート結果を踏まえ、契約書そのものに限らず合意内容を確認できる書面を対象とし、実務負担を抑える方向が示されました。制度変更により、RE100企業などが希望する電源属性へ市場を通じてアクセスしやすくなる一方、既存契約の予見可能性を損なわない運用が課題となります。経産省は詳細な条件と申請手続きを詰め、非化石価値取引の透明性と効率性を高めるとしています。
出典:発表