清水建設の2026年3月期は、売上高2兆578億円、営業利益1186億円、経常利益1223億円、純利益1266億円だった。営業利益は前期比67.1%増え、建設採算の回復が進んだ。純利益には投資有価証券売却益の影響もあり、本業の稼ぐ力と一時利益を分けて評価する必要がある。
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建設利益率の持続性が焦点
国内建築・土木は大型案件の施工進捗と採算管理が利益を左右する。受注時採算が改善しても、資材価格、人件費、工程遅延、設計変更で完成時の利益は変動する。営業利益率は約5.8%まで上昇したが、受注残の利益率と不採算案件の有無を継続して確認したい。
3年間で3600億円の戦略投資
中期経営計画2024―2026は、3年間の戦略投資枠を3600億円とし、建設事業の競争力強化、不動産開発、グリーンエネルギー、フロンティア領域、DX・研究開発へ資本を配分する。2026年度には営業利益1000億円、ROE8%以上を目標としており、2026年3月期の利益は目標水準を先行した形だ。
現金化と成長投資の質を見る
政策保有株式の縮減は資本効率と株主還元に寄与する一方、売却益は継続的な収益ではない。投資判断では、本業営業利益、営業キャッシュフロー、開発資産の回転、戦略投資の回収、配当・自己株取得のバランスを見たい。成長領域が建設景気の変動を補えるかが中長期の評価点になる。
3600億円の戦略投資は規模が大きいため、投資実行額だけでなく、案件ごとの稼働開始、売却・回収、ROICの開示が重要になる。建設利益の回復で生まれた資金を低採算資産に固定しないか、ネット有利子負債と開発在庫の推移も確認したい。