ウッド・マッケンジーは、2026年7月14日、世界の蓄電所(BESS)インテグレーターに関する初の総合ランキングを発表しました。2025年に世界のBESS年間導入量が初めて100ギガワット(GW)の大台を突破したことを受け、急速に拡大する蓄電システム市場における主要事業者の総合力と競争力を評価する指標として公開されたものです。
本評価の対象となったのは、バッテリーセル、電力変換システム(PCS)、バッテリー管理システム(BMS)、熱管理システム、制御システムを自社工場で一体的に組み立てて出荷する「AC統合型BESS」です。技術の成熟度や安全性、ESGパフォーマンス、サプライチェーンの強靭性、垂直統合体制、研究開発力、財務力など10の評価基準をもとに事業者が分析されました。
中国企業が圧倒的プレゼンスを発揮 垂直統合と大規模生産が強みに
公表されたランキングでは、中国企業が圧倒的な優位性を示しました。供給網の垂直統合と強固な国内製造基盤を背景に、技術評価および出荷規模の両面でグローバル市場を主導しています。特に最上位ランク層においては、バッテリーセルからシステム全体にわたる内製化を進めた中国メーカーが上位を占める結果となりました。
首位級の評価を獲得したSungrow(サングロウ)は、PCSおよびBMSの高度な技術力に加え、グローバルな供給実績と高い財務健全性が評価されました。また、Huawei(ファーウェイ)はデジタル制御技術とパワーエレクトロニクスの融合によりシステム効率と安全面で高いスコアを記録しています。さらに、HyperStrong(ハイパーストロング)やCRRC(中国中車)、BYD、Envision(エンビジョン)といった企業も、大容量蓄電池の量産能力と価格競争力を強みにランキング上位へ名を連ねました。
テスラなど欧米勢との競合とシステム統合の重要性
中国勢が上位の多くを占める中で、米国Tesla(テスラ)などの一部欧米企業も、統合型蓄電システム「Megapack」の供給実績や自社ソフトウェア技術を武器にトップグループを維持しています。しかし、バッテリーセルからPCSまで自社で一元管理できる垂直統合モデルを持つ中国企業の勢いが全体を圧迫する構図が明確になっています。
電力系統の安定化や再生可能エネルギーの出力変動対策として、100メガワット(MW)規模を超える大型BESSの需要は世界的に高まっています。システム構成が複雑化する中、製品の信頼性と長期的な運用パフォーマンスを担保できる統合能力が事業者選定の決定打になっているとしています。
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