フランスのエネルギー大手ENGIEは2026年5月4日、洋上風力事業専門の合弁会社Ocean Winds(ENGIEとEDP Renewablesの50・50合弁)を通じて、フランス内の洋上風力事業2件で重要な進捗を達成したと発表しました。着床式洋上風力「EMYN」の完全運用開始と、浮体式洋上風力「EFGL」の発電開始を同時に実現し、着床式・浮体式両方の技術を手がける産業ノウハウを示すものです。
ヴァンデ沿岸の「EMYN(イール・ドゥ島・ノワルムチエ)」は、最終タービンの設置を完了し、着工から3年で洋上建設工事を完結させました。三井物産、アリアンツ、Banque des Territoires、Vendée Énergieとの協業でOcean Windsが開発・運営し、同社にとってフランス国内で初の完全稼働案件となりました。
61基で500MW、約800,000人分の電力を供給するEMYN
EMYNは着床式タービン61基を設置し、合計出力500MWで、約800,000人の年間電力消費量に相当する再生可能エネルギーを発電します。建設段階では直接・間接で約2,400人分の雇用を創出し、ペイ・ド・ラ・ロワール地域の200社以上の企業が主要部品の製造に参画しました。今後の長期運用・保守段階では、イール・ドゥ島内の66人を含む合計80人の長期雇用が生まれる見込みです。
世界初の人工海洋生態系を備える浮体式風力 EFGL
一方、オクシタニ地方ポール・ラ・ヌーヴェル沿岸16キロに位置する浮体式風力「EFGL(リオン湾)」は、フランスの電力系統への初発電を達成し、数週間内の完全稼働へ向けた道を開きました。出力10MWのタービン3基を浮体基礎上に設置しており、完全稼働後は年間約110,000MWh(約50,000人分の年間消費相当)を発電します。直接サプライヤーの約85%がフランス企業(うち60%は中小企業)であり、現在て20人以上の雇用を支えています。同プロジェクトはBiohut®と呼ばれる人工海洋生態系を備えた世界初の浮体式洋上風力とされています。
Ocean Windsはこのほか、ポルトガルで2020年から稼働中の浮体式洋上風力「WindFloat Atlantic」も運営しており、浮体式洋上風力の実績を重ねています。ENGIEはフランス国内でOcean Windsを通じて4件の洋上風力事業(合計1.3GW、約200万世帯分の年間消費電力に相当)を手がけており、建設中のEMDT(ディエップ・ル・トレポール)、開発中のEFLO(オクシタニの浮体式風力)も進行中です。