東京メトロは、2023年12月21日、日揮ホールディングスやレボインターナショナル等と共同で、国産の持続可能な航空燃料(SAF)製造に向けた廃食用油提供の基本合意書を締結したと発表しました。SAF関連の取り組みへの鉄道事業者の参加は国内初となります。

航空業界の脱炭素化に不可欠なSAFは、天ぷら油などの使用済み食用油を主原料として精製されます。地下鉄ネットワークを活かした資源循環モデルの構築により、原料不足が懸念されるSAFの国産化を後押しするプロジェクトです。
駅構内や運営飲食店からの廃食油リサイクル
今回の合意に基づき、東京メトロのグループ企業が運営する駅構内の飲食店などから排出される廃食用油が定期的に回収される体制が構築されます。回収された油は、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが建設を進める国内プラントへと運搬される計画です。
これまで廃棄や飼料用リサイクルに回されることが多かった使用済み油を、付加価値の高い次世代航空燃料へとアップサイクルします。身近な交通インフラが、異業種である航空分野の環境対策へ直接寄与するスキームです。
サプライチェーン連携による脱炭素社会の実現
鉄道網という広範なインフラを活用することで、将来的な回収拠点の拡大や一般利用者からの廃食用油受け入れといった展開も視野に入ります。異なるインフラ企業同士が連携し、国内の資源回収サプライチェーンを整備する意図が含まれました。
同社は、公共交通機関として多角的な視点から循環型経済の形成に貢献していく方針としています。