オーストラリア・ニューサウスウェールズ(NSW)州のミンズ労働党政権は2026年3月19日、州内の石炭産業の方向性を示す政策文書「NSW Coal Industry 2026-50」を公表したと発表しました。同政権は今後、新規のグリーンフィールド(未開発地)炭鉱の単独案件は認可しない方針で、一方で既存炭鉱に隣接する拡張案件については、環境・排出要件を満たすことを条件に引き続き審査対象とするとしています。
エネルギー安全保障や製鉄用途向けの石炭需要が存在する限り、これを支える方針も明記されました。石炭生産事業者には、実証済みの排出削減技術の活用や、強化された環境保護局(EPA)の規制遵守を通じて、州の温室効果ガス排出削減目標達成に引き続き貢献することが求められます。排出量の評価は、州の都市計画制度を通じて継続して行われます。
新規案件は認めず、既存事業には道筋を用意
同政策は、既存の炭鉱事業を維持しつつ将来の開発には強いガードレールを設ける内容です。石炭産業はNSW州経済を長年支え、地域雇用の中核を担ってきましたが、世界的な石炭需要は今後減少が見込まれるとしています。政府は、需要の変化に応じて炭鉱産出地域を支援するため、「Future Jobs and Investment Authority」の設立法案を州議会に提出しており、閉山後の鉱山用地・インフラの再活用による新規投資や雇用創出を主要施策の一つに位置づけています。
各州閣僚のコメント
ハンター選出のヤスミン・キャトリー州天然資源相は「ハンター地域の労働者は何世代にもわたりNSW州の電力を支えてきた」と述べ、天然資源相コートニー・フーソス氏は「地域社会・産業・許認可当局・環境団体・貿易相手との対話を経て、確実性を与える方向性をまとめた」とコメントしています。