米エネルギー省(DOE)の原子力エネルギー局とエネルギー・ドミナンス・ファイナンシング局(EDF)は2026年3月12日、既存の原子力発電インフラを活用して発電量を増やす新たな取り組み「Utility Power Reactor Incremental Scaling Effort(UPRISE)」を発表しました。UPRISEは、既存原子炉の出力増強、休止中施設の再稼働、中断していたプロジェクトの完了などを通じて、米国の原子力発電容量を大幅に拡大することを目指します。
本構想は、トランプ政権が掲げる「2050年までに原子力発電容量を現在の100GWから400GWへ拡大する」との目標を踏まえたものです。データセンターや製造業の拡大により今後数年で電力需要が高まると見込まれる中、実証済みの原子力技術と簡素化された規制プロセスを活用し、即効性のある成果を目指すとしています。
目標と取り組み内容
UPRISEは、運転認可更新による運転期間延長、出力増強(アップレート)、休止中施設の再稼働、先進燃料技術など最新技術による稼働効率の最適化に焦点を当て、2027年までに追加2.5GW、2029年までに合計5GWの原子力発電容量拡大を目指すとしています。DOEのライアン・バーラン副次官補は「これは米国の原子力発電フリートの復活になる」とし、「UPRISEを通じ2030年までに5GW拡大という大統領目標を上回る」と述べています。
当面の取り組みは3本柱で、サプライチェーンの準備状況確認や設備評価、経済モデルの検証を通じてビジネスケースを構築するとともに、規制プロセス簡素化に向けた研究、燃料技術開発、人材育成にも取り組むとしています。
資金支援と今後の展開
UPRISEは年内に、原子力発電所の所有者と需要家をつなぐマッチングワークショップを開催する予定です。EDFは2,890億ドル超の融資枠を有しており、原子力アップレートに関する適格プロジェクト費用について、優遇金利で最大80%の融資を提供できるとしています。
DOEの融資プログラムは、ボーグル原子力発電所3・4号機の稼働開始に貢献した実績があり、現在はパリセーズ原発とクレーン・クリーン・エナジー・センターの再稼働支援にも活用されています。
出典:https://www.energy.gov/ne/articles/nations-nuclear-reactor-fleet-rise