川崎重工は、2026年8月3日、インバータ電源で同期発電機の特性を模擬する仮想同期発電機制御技術「iVSG®」について、株式会社アイケイエス(本社:京都市)との間でライセンス提供契約を締結したと発表しました。同社が自社開発した本技術のライセンスを外部企業へ提供するのは、今回の契約が初めての事例となります。
近年、カーボンニュートラル社会の実現に向けた再生可能エネルギーの導入拡大に加え、生成AIの普及に伴うデータセンターの増設などを背景に、国内の電力需要はさらなる増加が見込まれています。こうした中、電力需給の変動を調整する蓄電池の導入が一層重要視されるようになりました。しかし、太陽光発電や蓄電池に代表されるインバータ電源は、火力発電など従来型の電源で用いられる同期発電機とは異なり、電力系統の周波数を物理的に維持する「慣性力」を持っていません。そのため、系統内におけるインバータ電源の割合が増加すると、電力網全体が不安定になるという構造的な課題を抱えています。
仮想的な慣性力でサステナブルな電力網を構築
今回ライセンスが提供される「iVSG®」は、こうした系統安定化の課題を解決するための制御技術です。インバータ電源に対して仮想的に同期発電機が必要とする特性を付与し、擬似的な慣性力を持たせることができます。
両社は本技術の普及を通じ、分散型電力システムの導入を後押しすることで、再生可能エネルギーが主力電源化した電力系統においても安定的なグリッド維持に貢献していくとしています。
出典:発表