シン・エナジーは2024年4月、地元企業と共同出資する仙北水力発電が、秋田県仙北市へ地域振興基金として420万円を寄付したと発表しました。原資は同社が運営する小野草水力発電所と鶴の湯水力発電所の売電収益の一部で、市は環境整備、文化活動、地域課題への対応などに活用します。
両発電所は、未利用の河川水を活用する流れ込み式の小水力設備です。小野草水力発電所は最大出力325kW、有効落差62.85m、最大使用水量0.60m3/sで、年間発電量は約1,994MWhを想定します。鶴の湯水力発電所は最大出力199kW、有効落差23.48m、最大使用水量1.05m3/sで、年間発電量は約1,591MWhを見込みます。2地点合計の開発出力は524kWです。
事業会社は地元企業が51%以上を出資し、調査、土木建築、電気工事、運転管理にも地域企業を優先活用する構成です。発電電力はFITを使って売電し、収益の一部を毎年地域へ戻すことで、再エネ事業の便益を立地地域へ還元します。基金は地域環境の保全や、田沢湖固有種だったクニマスの復活関連事業などへの活用も想定されています。
発電事業者にとって、地域還元額を事業収支にあらかじめ組み込む方式は、許認可や用地・水利調整を円滑にし、長期運営への理解を得るうえで重要です。一方、売電収入は降水量や設備稼働率に左右されるため、基金拠出と修繕費、借入返済を両立できる財務設計が必要になります。