【容量】欧州委、スペインの容量メカニズム90億ユーロを承認

スペインの容量メカニズム承認
スペインの容量メカニズム承認

欧州委員会は2026年5月29日、スペインが申請した電力供給の安定確保に向けた総額90億ユーロ(約1兆5,300億円)規模の容量メカニズムを、EU国家補助規則に基づき承認したと発表した。本措置は2026年5月から10年間実施される。

同メカニズムは市場全体を対象とする方式で、送電系統運用者(TSO)がスペインの国家需給調整力評価に基づきACER(欧州エネルギー規制当局協力機関)が承認した信頼性基準(許容停電時間の上限)達成に必要な容量すべてに対価を支払う。既存・新設の発電設備に加え、需要側対応(デマンドレスポンス)や蓄電(環境適格基準の対象)も参加対象となり、透明かつ非差別的な入札を通じて選定される。予算規模は年間約9億ユーロで、10年間の総額は各回のオークション結果次第で約90億ユーロに上る見込み。対象はスペイン国内のプロジェクトだが、他の系統連系加盟国からの参加もできる限り早期に認める方針としている。

欧州委員会は、本措置がEU機能条約第107条3項(c)及び「気候・環境保護・エネルギー国家補助ガイドライン2022(CEEAG)」に照らして、EU電力規則に沿った必要かつ適切な措置であり、対価がMW当たりの入札額に基づく公正な競争プロセスで決定されるため比例性を満たし、「クリーン産業国家補助枠組み(CISAF)」が定めるベストプラクティスの大部分に合致すると評価した。

需要家負担増と越境流通阻害を防ぐ設計要件

容量メカニズムは電力供給の安定確保という目的を持つ一方、欧州委員会は、需要家の電気料金上昇や特定事業者への不当な優遇、EU域内の電力融通阻害につながらない設計が必要と強調する。EU電力規則は供給安定性の見通しを定期評価する枠組みを定めており、リスクが認められた場合、加盟国はまず市場機能の改善を検討し、それでも不十分な場合に限り容量メカニズム導入が認められる。非機密版の決定文書は案件番号SA.112483として国家補助登録簿で今後公開される予定。

出典:https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_26_1163

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