キヤノン株式会社は、2026年7月27日、2026年第2四半期の決算を発表しました。
2026年第2四半期(4-6月期)の連結売上高は前年同期比3.6%増の1兆1809億円となり、第2四半期として過去最高を記録しました。
売上総利益は同15.5%増の6177億円と改善し、営業利益は同35.2%増の1592億円、純利益は同46.9%増の1229億円と各段階で大幅な増益を達成しました。
欧州の中東情勢影響や米国の関税影響により市況の弱さは継続していますが、米国追加関税の還付や円安の進行が収益向上に寄与しました。営業利益の増減分析では、販売価格の改善がプラス580億円、為替変動がプラス143億円の押し上げ要因となった一方、経費増(マイナス154億円)や中東影響(マイナス47億円)が下押し圧力となりました。
通期の業績見通しも上方修正されました。2026年通期の売上高は前年比3.8%増の4兆8000億円(前回見通し比350億円増)、営業利益は同2.1%増の4650億円(同90億円増)、純利益は同2.4%増の3400億円へと引き上げられました。中東情勢の影響による売上正常化の遅れ(マイナス346億円)やメモリ価格高騰(マイナス60億円)といった悪化要素が含まれるものの、関税影響のプラス375億円や、下期前提レート変更(1米ドル155円、1ユーロ180円)に伴う為替のプラス341億円がこれらを上回りました。
ネットワークカメラと半導体露光装置が牽引するイメージング分野
セグメント別で最も高い成長と収益性を示したのがイメージング事業です。第2四半期の売上高は前年同期比17.7%増の3068億円、営業利益は同78.7%増の698億円に達し、営業利益率は22.8%を記録しました。売上高が同12.9%増の1754億円となったカメラ事業と、同24.8%増の1314億円と急拡大したネットワークカメラ分野が成長を牽引しています。
主力事業であるプリンティングセグメントは、投資先送りが継続する厳しい市況にあっても底堅く推移しました。第2四半期の売上高は前年同期比3.1%増の6294億円、営業利益は同26.9%増の976億円でした。プロダクション分野の売上高が同12.4%増の1161億円と好調だったほか、オフィス複合機も同3.8%増の1674億円と成長を確保しました。一方でプロシューマー向けのレーザープリンターは同5.1%減の1522億円となりました。
設備投資需要の変動とインダストリアル・メディカル分野の課題
インダストリアル分野は、第2四半期の売上高が前年同期比15.3%減の783億円、営業利益が同28.7%減の126億円と苦戦しました。半導体露光装置はメモリ向け需要が牽引し、i線が31台、KrFが17台販売されましたが、産業機器の売上が同47.3%減の164億円と落ち込んだことが響きました。
メディカル分野も売上高が同4.6%減の1354億円、営業利益が同38.5%減の31億円と減収減益に留まっており、顧客の設備投資サイクルの変動影響を強く受けています。
財務基盤については、2026年通期の営業活動によるキャッシュフローは前年を上回る5450億円の創出を見込み、フリーキャッシュフローは2900億円となる予測です。
資本収益性向上の取り組みにより、2026年のROE(自己資本利益率)は9.8%に達する見通しです。6月末時点の在庫金額は9615億円まで増加していますが、昨年末から積み増した在庫を下期の拡販に向けて戦略的に振り向ける方針であるとしています。