九州電力の2025年度連結決算は、売上高が前年度比4.7%減の2兆2,472億円、経常利益が6.4%増の2,070億円、親会社株主に帰属する当期純利益が20.0%増の1,545億円となりました。小売販売電力量は9.3%減少しましたが、託送収益の増加や火力発電単価の低下が利益を押し上げました。
原子力稼働率と燃料価格が収益を左右
2025年度の原子力発電電力量は286億kWh、設備利用率は82.3%でした。原子力の高稼働は火力燃料費を抑える一方、定期検査の時期や設備トラブルによって利益が変動する点には注意が必要です。
2026年度は売上高2兆3,000億円、経常利益1,800億円、純利益1,300億円を見込みます。卸売販売収入や原子力稼働の増加を想定する一方、燃料費調整制度の期ずれが差益から差損へ転じるため、経常利益は13.1%減る予想です。
成長事業540億円、投資回収が次の焦点
2025年度の経常利益のうち、総合エネルギーサービス事業が1,540億円、再エネ、海外、ICT、都市開発などの成長事業が約540億円を占めました。電力事業で得たキャッシュを成長分野へ振り向け、収益源を多様化できるかが中長期的な評価軸になります。
投資判断では、原子力設備利用率、燃料・為替相場、小売販売量、卸電力価格に加え、大規模投資後のフリーキャッシュフローを継続的に確認する必要があります。安定した原子力収益は強みですが、設備保全費の増加や成長投資の採算悪化は主要なリスクです。