【世界】IEA、世界の石炭需要は2020年代末にかけて緩やかに減少と予測

国際エネルギー機関(IEA)は2025年12月17日、年次報告書「Coal 2025」を公表し、世界の石炭需要は2020年代末にかけて緩やかに減少すると予測しました。2025年の世界石炭需要は前年比0.5%増の88億5,000万tと過去最高を更新する見込みですが、2030年には2025年比3%減となり、2023年の水準を下回るとしています。

2025年の地域別動向では、インドはモンスーンの影響で水力発電が増加し電力需要が抑制され、石炭発電量が過去50年で3度目となる前年割れとなる見通しです。米国は過去15年平均で年6%減少していた石炭消費量が、天然ガス価格上昇や政策支援による廃止ペース鈍化を背景に前年比8%増加。EUは水力・風力発電の低迷により減少幅が前年までの2桁減から約2%減にとどまるとしています。世界の石炭消費量の3割超を占める中国の需要は2024年並みで推移する見込みです。

米国は政策支援で石炭需要押し上げ、2030年までは再び減少へ

IEAは、米国で石炭火力の運転継続を認める環境適用除外、連邦有地での石炭採掘ロイヤルティ料率の引き下げ、既存石炭火力の改修支援など、需給両面での政策支援が2025年の需要押し上げに寄与したと分析しています。ただ、2030年までの予測では、再エネ発電容量の拡大や発電所廃止の継続を前提に、米国の石炭需要は年平均6%減少に転じるとしています。

世界全体では、再生可能エネルギーの拡大、原子力発電の着実な増加、LNG供給の拡大により石炭火力との競合が一段と激化。世界の石炭火力発電量は2020年代末までに2021年の水準を下回ると予測されています。地域別では、インドの需要が年平均3%増(累計2億t超増)、東南アジアが年4%超増と最大の伸びを示す見込みです。

出典:https://www.iea.org/reports/coal-2025

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