国際エネルギー機関(IEA)は2026年1月23日、最新の四半期報告書「Gas Market Report, Q1-2026」を公表し、世界の天然ガス需要の伸びが2026年に加速するとの見通しを示しました。世界のLNG供給拡大が続くことで、2025年に鈍化した需給バランスが緩和に向かうと分析しています。
2025年は産業活動の低迷と年前半のスポットLNG価格高騰が需要の重石となり、世界の天然ガス需要の伸びは1%未満にとどまりました。地域別では欧州が発電向け需要の増加で3%増、北米は寒冷な冬により1%増となった一方、アジアは2022年以来最も低い伸びにとどまり、中国は国内生産の増加とロシアからのパイプラインガス受け入れ増を背景に、LNG輸入量が前年比14%減少しました。
2026年はLNG供給拡大が需要を牽引
2026年の世界のLNG生産量は前年比7%超(400億㎥超)の増加が見込まれ、2019年以来最速のペースとなる見通しです。増加分の85%超を米国・カナダ・メキシコの北米3カ国が占めます。供給緩和を背景に、2026年の需要増加は中国や新興アジア市場が牽引役となり、アジア太平洋地域は4%増と世界全体の需要増の約半分を占める見込みです。北米は横ばい、欧州は再エネ拡大により2%減少、中南米は水力発電の改善により1%減少すると予想される一方、ユーラシアは3.5%増、アフリカ・中東は合計で3.5%増を見込んでいます。
ロシア産ガス依存脱却も進展
2025年12月にはEUが2027年11月までにロシア産天然ガスの輸入を全廃する歴史的合意に達し、ロシアからの欧州向けパイプラインガス輸送量は2021年比で90%減少しました。これにより非ロシア産LNGの欧州市場での供給余地が拡大すると見込まれています。
出典:https://www.iea.org/reports/gas-market-report-q1-2026/executive-summary